【運送業・未払残業代】長距離トラック運転手4名について、第1回期日前に合計1,300万円弱を回収した事例

事例の依頼主様

40代|男性

ご依頼前の状況

依頼者らは、運送会社に勤務していた長距離トラック運転手4名でした。

勤務時間は運行先や配車内容によって日々異なり、深夜運転や車中泊を伴うこともありました。給与は、基本給のほか、運行に応じた複数の手当によって構成されていましたが、実際の労働時間に見合った残業代が支払われているのか分かりにくい状態となっていました。

そこで、退職後、未払残業代を請求したいとのご相談を受けました。


ご依頼手続き後

約1,300万円

■ 労働時間の算定入力

長距離トラック運転手の場合、出勤から退勤までの拘束時間が長い一方、その全てが当然に労働時間となるわけではありません。そのため、運転、荷積み、荷下ろし、待機、休憩及び車中泊の時間を具体的に区別する必要がありました。

本件では、点呼記録簿、業務日報、運転日報などの資料を照合し、各日の始業時刻及び終業時刻を特定しました。

また、1日に複数の運行がある場合の運行間の時間や、サービスエリア・パーキングエリアなどでの滞在時間についても、その実態を確認しながら労働時間と休憩時間を整理しました。

■ 運行割増手当をめぐる争い

会社側は、給与として支給していた「運行割増手当」に残業代や深夜割増賃金が含まれているため、別途残業代を支払う必要はないと主張しました。

これに対し、当方は、給与明細には実際の労働時間が記載されておらず、運行割増手当のうち、どの部分が通常の賃金で、どの部分が残業代であるのか明確になっていないことを指摘しました。

また、会社側の計算方法では基本給のみが残業代計算の基礎とされていましたが、その場合の時間単価が地域別最低賃金を下回る水準となることや、旅費手当、作業割増手当などを基礎賃金から除外する理由が明確でないことについても反論しました。

■ 交渉から訴訟提起へ

会社側は一定額での和解を提案しましたが、少なくとも一部の依頼者については、当初の提案額が請求元本の4割程度にとどまっていました。

その後も交渉を継続しましたが、提示額と依頼者らの意向に隔たりがあったため、4名について未払残業代等を請求する訴訟を提起しました。

訴訟提起後も交渉を続けた結果、第1回口頭弁論期日を迎える前に、訴訟外で和解が成立しました。

  • 解決済み
  • ■ 解決結果
  • 最終的に、未払残業代に加え、一部の依頼者については未消化の有給休暇に対応する賃金も考慮した解決となり、4名合計で約1,300万円を回収しました。
  • 第1回口頭弁論期日前に和解が成立したため、依頼者らは、長期間にわたる訴訟手続や尋問の負担を負うことなく、早期に解決することができました。

ルノ法律事務所

髙山弁護士からの解決ご提案

■ 弁護士からのコメント

運送業では、運転時間だけでなく、荷積み・荷下ろし、待機、点呼その他の付随作業が労働時間となる場合があります。一方で、長時間の拘束中に休憩や休息が含まれていることも多いため、記録に基づいて時間の性質を丁寧に検討する必要があります。

また、給与明細に「運行手当」「運行割増手当」などの記載があるだけで、直ちに未払残業代が存在しないことになるわけではありません。その手当が残業代として有効に支払われたものといえるかどうかは、通常の賃金部分と割増賃金部分が明確に区分されているか、計算方法が明らかになっているかなどを踏まえて判断されます。

勤務時間が不規則であったり、タイムカードが十分に残っていなかったりする場合でも、点呼記録、運転日報、デジタルタコグラフ、配送記録などから労働時間を算定できる可能性があります。

解決までの期間2年