運行手当に残業代が含まれるとの主張に反論し交渉で170万円を回収した事例

事例の依頼主様

20代|男性

相談前の状況

ご相談の背景

ご依頼者は、運送会社で大型トラックによる配送や荷扱いに従事していたドライバーの方です。時間外労働や深夜労働に対する残業代が適切に支払われていないとして、ご相談いただきました。

会社からは基本給のほかに運行手当などが支給されていましたが、会社側は、この運行手当が固定残業代に当たり、残業代は精算済みであると主張しました。


解決への流れ

当事務所の対応

当事務所は、会社から開示された出勤簿と、ご依頼者が保管していたアルコールチェックの履歴や、その時刻を記録したタイムシートを確認しました。これらの資料をもとに始業・終業時刻や休憩時間を整理し、未払い残業代と遅延損害金を請求しました。

交渉では、運行手当を残業代として扱うことができるかが大きな争点となりました。会社側は、雇用時に固定残業代として支給する合意があったと主張したほか、就業規則を変更して、運行手当に時間外・休日・深夜労働の割増賃金を含む旨を定めたことも挙げました。

これに対し、当事務所は、従来の手当を残業代として扱う変更は、ご依頼者にとって実質的な賃金の減額につながると指摘しました。ご依頼者が個別に同意していないことや、不利益の大きさを踏まえ、この変更を理由に未払い残業代を減額することはできないと反論しました。

また、変更後の規定でも、運行手当のうち通常の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分が区別されていないと指摘し、固定残業代としての有効性を争いました。

  • 解決済み
  • 解決の結果
  • 会社側の検討に時間を要したため、当事務所は繰り返し回答を求め、期限を設けて具体的な解決案の提示を促しました。
  • その後、会社側から150万円の支払いによる和解案が示されました。当事務所は、ご依頼者と協議したうえで、会社側が減額の理由とした就業規則の変更などに反論し、180万円での解決を提案しました。
  • さらに交渉を重ねた結果、最終的に170万円で和解が成立し、訴訟を起こすことなく回収しました。

ルノ法律事務所

高山 弁護士からのコメント

本件のポイント

本件では、出勤簿に加え、ドライバー業務に伴うアルコールチェックの記録を活用して労働時間を整理しました。また、運行手当の名称だけで判断せず、支給の根拠や就業規則の内容を検討し、残業代は精算済みであるとの会社側の主張に反論しました。

具体的な根拠を示しながら交渉を続け、会社側の150万円の提案から増額を実現し、170万円の回収につなげた事例です。

解決までの期間 1年